忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

結婚記念日【レオエイ】vol.3

vol.1 vol.2

結婚記念日を祝おうとするレオンとそれをコロッと忘れるエイダさん( ̄▽ ̄)
まだ続きまーす!

↓興味ない方はするっとスル~で★


***

――1年前。

多分この地域では名前を知らない人はいないほどの高級ホテルのロビーを待ち合わせ場所に指定された。
その時のことは今でも覚えている。
エイダはホテルの格式から考えて恐らくドレスコードがあるだろう、と赤いシンプルなドレスを着ていた。そして、ロビーに入った途端、目が釘付けになった。
恐らくそこにいた全員の視線が集まっていただろう。
レオンは元々顔立ちも整っていて、いわゆる男前だ。キレイな金髪で身長も高い。エージェントとして訓練も欠かしていないせいか身体も引き締まっている。ただでさえ目立つ人なのに、一分の隙もなくスーツを着こなして、手にはバラの花束を抱えていた。
こちらに気づいて、こちらが恥ずかしくなるような笑顔になった。大股で近づいてくる彼から逃げ出したい衝動に駆られながら、エイダは手を上げた。
「派手な登場ね」
真っ赤なバラの花束を受け取りながら、出るのは憎まれ口なのに、それでもレオンは嬉しそうに笑った。
「来てくれてありがとう」
こんな風に素直にお礼を言う彼に調子が狂う。いつもはもっと皮肉気なのに――
腕を差し出されて更にくすぐったくなった。完璧なエスコートを目指すらしく、エイダはレオンの腕を取った。自分の顔に全く感情が出ないことを感謝しながら、エイダはいつもの表情でレオンと連れ立ってレストランへ向かった。

――エイダはロビーに一歩入った途端、当時の情景が脳裏にフラッシュバックして、あの時のようにレオンが立っているような錯覚に陥った。同じ笑顔で真っ赤なバラの花束を持って――
ロビーには時間も遅いからか、人もまばらだった。その中で一際目を引く赤――バラの花束を持った若い娘が立っていて、エイダと目が合った。
バラの花束が当時を思い出させたのか。
エイダは苦笑いすると、ロビー内を見渡してレオンの姿がないことを確認して踵を返しかけた。そこへためらいがちに花束を持った若い娘がこちらへ歩いて来るのが見えた。
「あの…」
「何かしら」
「もしかして、ここで待ち合わせされてました?あの…金髪の背の高い男の人と…」
「…ええ」
花束の元の持ち主が誰かわかってエイダは口元の笑みを深くした。
「これ…その人が持ってたんですけど、待ち人来たらずって言ってくれたんです。でも――」
そう言って花束をエイダに差し出した。
「来てくれたんなら、あなたに渡した方がいいかと思って。すごく――お似合いの二人だから」
エイダは素直に花束を受け取って、微笑んだ。
「ありがとう」
バラの花の香りがツンと鼻をつく。同時にレオンに無性に会いたくなった。
「彼はどっちへ行ったのかしら?」
「あ、出て…多分左へ行ったと思います」
「ありがとう」
エイダはもう一度礼を言うと、ロビーを足早に駆け抜けた。硬い大理石の床を蹴るヒールの音が高く響いた。
回転式のドアを押し開けて、外に出るとすぐに左へ足を向けた。
(さて、と。どこへ行ったのかしら)
エイダは足早く歩きながら、頭の中で考えた。
(家へ帰るにはタクシーを拾う必要があるから出て右へ行くはずだし、地下鉄も右ね。だとすると――)
こんな時に彼が行きそうな場所。家には帰らず行くとしたら――エイダは足を止めて途方に暮れた。この広い街でたった一人の男を見つけるのは至難の業だ。
レオンの思考回路をなぞれない自分にも嫌気が差す。レオンならきっとエイダの行動はお見通しだろう。エイダの表情の些細な変化を読み取れるのは彼だけだ。エイダは自分の顔に何の感情も出ない自信があるのに、レオンにはなぜかそれが通用しない。いつもと同じ表情なはずなのに、不機嫌な時は「何かあったのか?」と聞いてくる。大抵は「別に」と言って終わるが、それがいつもピンポイントなので舌を巻く。
エイダはバッグの中に手を入れて絶望的な気分になった。
(携帯を忘れるとかどれだけ急いでたの、私)
結婚してからのレオンはエイダにいつも甘い。以前は皮肉ばかりだったのに、最近はその皮肉にさえ愛情を感じるから据わりが悪い。惜しみない愛情表現には慣れていない。
それでも――レオンがくれる愛情を受けてみて初めて知った。自分がどれだけ飢えていたか。そんなものはいらないと突っぱねてみても、それは強がりでしかないことを自覚した。

「レオン…」

呟いた声が闇夜に消えていったと思ったら、いきなり後ろから腕が巻きついてきた。反射で抵抗しようとした身体を抑え込んだのは、聞き覚えのある声が降って来たからだ。

「――何だ?」



やっと二人が会えたよ…長ッ!
次…の次くらいがバスタブかな(°∀°)!
PR

Comment

ロビーの女の子ナイス!グッジョーブ!!!
  • M-ai
  • 2013-05-20 19:02
  • edit
ふぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!///
レオンいた!いたよ!どこにいたの!実はちょっと離れたとこで見てたんじゃ、、!?(´゚Д゚`)
エイダにデレデレオン。エイダさんもレオンにデレデレとな、、?ふひょあー堪らんですッ(*´゚Д゚`*)
とこ先生レオエイも本にして下さい。3冊は買いますぜっ(*´σー`)へっへっへ
グッジョーブ!なんだけど…
  • 透子 〔管理人〕  
  • 2013-05-21 07:45
レオンなー…後から花束をロビーの子に渡さずに自分で持って行ってパンくずのように1輪ずつ足跡残せばよかったか?とか思ったわ><
何か、ナニこのイケメン…(´σд`) レオンこんなイケメンちゃうよな…でも私が書く男の人って何でかイケメンになるんだよな…オカシイ(`ФωФ')

レオエイの本なんか売れまへん(((( ;゚Д゚)))
あ、脚本考えるから、M-aiさんが漫画描いたらえーねん(°∀°)!
無題
  • あに
  • 2013-05-20 22:41
  • edit
う、う、う(`;ω;´)
キュンキュンするよ
レオンがイケメン過ぎるっっっ
透子さん愛してますありがとうございます
私は幸せや!!!
レオンはこんなイケメンちゃうよな…
  • 透子 〔管理人〕  
  • 2013-05-21 07:48
あにさんの脳内変換毒波がこっちにも飛んできたわ…ヤバイ!
エイダさんもレオンもデレデレ過ぎる><!この二人はもっとクールや!!!
でもクールにすると甘々にならない…このジレンマ(´σд`)
お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Copyright © バイオハザードォォォ : All rights reserved

「バイオハザードォォォ」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]