[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
まいこがデレク&ライアンが戦ったらどっちが強いんだろう?とちったーで言ってた。で、その絵がカッコよかったので!(多分その内ぴっしぶに上がるんじゃないかと…(´σд`))
で、小話を書いてみた。
サイトの拍手を入れ替えました。初めてまともに書いたよ!クリジル!!
「友達以上恋人未満の攻防」
一瞬だった。
ピリと鳥肌が立ったかと思うと同時に後ろに仰け反った。ほとんど反射だった。
鼻先を拳が掠めて、仰け反った身体を後ろ足を踏み出して支えた。と、すぐさま奴の足が一閃してローキックを繰り出してきた。体勢を崩したままだったが脛を狙う足技を受ければ立っていられない。地面にダウンするということは"負け"を意味する――場合によっては"死"を――
デレクは更に一歩下がって紙一重で避けると同時にシャツの下に忍ばせているナイフホルダーから細身のナイフを抜き取り、逆手に持ち替えながら滑るように重心を前に移動させる。
奴の懐まで一気に入り込めれば――と、足技を空振りさせた奴の腕が一拍遅れて視界に入った。
(足技はフェイクか…!)
気づいた時には避けようもなく顔面をガードするのが精一杯だった。
デレクは左手でまともに攻撃を受けて顔を顰めた。腕が痺れるほどの衝撃を受けてすぐさま後ろに下がった。
(こんの、デカブツ野郎め)
身長は同じくらいだが横幅がまるで違う。筋肉の付き方がヤツの場合はストレートに太さに出てる感じだ。袖から出ている腕の太さが自分の倍はある。だからさすがにまともに食らえば相当なダメージだ。
ナイフを握った右手の掌にじっとり汗がにじむ。
「何だよ、終わりか?飛び道具が出てきた割にはあっけないな」
不遜な表情を浮かべて挑発するように軽口を叩く奴はフットワークも軽い。構えはボクサーのようで、実際パンチの威力も半端じゃなかった。加えて足技を使えて、フェイクを仕掛けてこれるあたり、頭がカラッポな筋肉バカではないんだろう。だが――
「なんだよ、そんなに怒ることか?アイツのことになると見境なくなるな」
不本意ながら行動を共にすることになったアイツの番犬みたいなコイツは最初から気に食わなかった。だから無意識に弱点を探っていたんだろう。ふとした拍子にそれが出た。
――てめぇがちゃんとあの女の手綱を握れてないからこんなことになンだろ。尻に敷かれてんのか?
そう口火を切った後に吐き出した不満のどれが逆鱗に触れたのかわからないが、言い返す言葉もないまま拳が飛んで来たところを見ると、案外的を射てたのかもしれない。
3歩の距離で構えたままお互い睨み合ってると、不意にヤツが肩の力を抜いた。
「お前は全然わかっちゃいねぇよ」
サラを全然わかっていない、と更に言い募られて、デレクは鼻を鳴らした。
――あの女の何をわかれと言うのか。
しかもてめぇらは付き合いが長いだろうが、俺はまだ出会って間もない。知らなくて当然だろうが。
不満のような昏い感情が湧き上がって、その事実にまたイラつく。アイツを理解できていない事実を突き付けられて、なぜこんなにイラつくのか。
「別にわかる必要性も感じないがな」
平坦に感情の出ない声で言ったつもりだったが、ヤツの顔がニヤニヤしたので嫌な予感がした。
「お前のポーカーフェイス、他の時は完璧なのにサラの時だけダダ漏れだぜ。サラだけ絶対名前で呼ばないよなぁ…!アイツだの、あの女だの、」
気づけば左手が動いていた。手に持っていたナイフは寸分違わず奴の顔の真横を通り抜け、後ろの木の幹に突き立った。
「無駄口叩くヒマがあったら仕事しろ」
不毛な会話に終止符を打つべく、デレクは奴の横を通り過ぎてナイフを引き抜くとホルダーに収めた。
「あのジャジャ馬を探しに行くぞ」
≪ 私の好み | | HOME | | USJのバイオハザード・ザ・リアルに行って来た!! ≫ |