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有能な相棒【ジェイシェリ】

3ヶ月くらい前にPixivにマイピク限定で一度UPして出来がイマイチかなと思って放置してたヤツ。PixivにUPするには短すぎるかと思ってこっちに持って来たwww

↓興味ない方はするっとスル~で★




「ジェイクってホント有能よね」
「ハァ?」
シェリーはジェイクと仕事を一緒にするようになって、彼の"出来のよさ"を目の当たりにして溜息を吐いた。
語学を覚えようとしなくても接していれば覚えてしまう。身体能力もずば抜けている。他にもいっぱい思い当たるが、それに比べて――と自分で落ち込みそうなのでシェリーは考えるのをやめた。
「何でもない」
B.O.W.の調査に一緒に出掛けることが多くなった今、パートナーとしてシェリーは役に立っているのか、と思う時がある。後先考えずに突っ走って、ジェイクにフォローさせることがしばしばある中、ジェイクは常に冷静で先のことまで見通して行動している。傭兵だから銃器の扱いには長けているし、爆弾の類にもそこそこ詳しい。何と何を混ぜればどんな化学反応が起きるのかも知っていて即席で爆弾まがいのモノを作る時もある。

――背中はジェイクに預けてれば大丈夫

そう思わせる安心感がある。でも、とシェリーはそこで自分を振り返って重い溜息を吐くしかなかった。


**

わかりやすく落ち込んだシェリーの後姿は肩が落ちていて、ジェイクは苦笑した。
(まったくコイツは…)
マジメと言えば聞こえがいいが、融通が利かない。頑固で――負けず嫌い。
俺が優秀というよりは、俺の方が戦場における経験値が上なだけだ。でもコイツはジェイクに比べて自分は何もできない、と考えるようだ。

――そんなことはない、んだがな。

シェリーは何に対しても真っ直ぐだ。それゆえ頑張り過ぎる。愚痴くらい言ってもいいのに、飲み込む――さっきみたいに。そしてそう言ったところで聞くヤツじゃねーしな。
シェリーは決して弱音を吐かない。そのくせ任務中は気が張っているのだろう、決して笑わない。常にいっぱいに張った糸のようで、こちらがいつ切れるかハラハラする危うさがある。もっと俺を頼ればいいだろ、と言っても「これ以上頼れないわ」と口には出さないまでもきっと思う。そしてジェイク自身も彼女をエージェントとしての信念を支えるパートナーであるなら、甘やかすわけにはいかない。それは彼女をダメにするのはわかっているから。

「シェリー」
「なに?」

硬い表情で振り向いたシェリーにジェイクはフッと表情を緩めた。
「ちょっと休憩しようぜ」
「ええ?何で?」
「俺が疲れたんだ。ちょっと座れって」
ジェイクは半ば強引にシェリーの手を取って、ゴーストタウンと化した街の一角に座った。見晴らしはいいので敵が来ればすぐに気づく。向こうからは陰になっているから見えにくい、そんな場所を選んで。
「お前さ、さっき俺のこと有能とか言っただろ?」
「え?ああ…、いいの、忘れて」
バツが悪そうに目を逸らしたシェリーにジェイクは笑った。
「俺のどこが有能だと思うんだ?」
意外な質問にシェリーは目を瞬かせてこちらを見た。
「…え?」
「だから、俺が有能だと思うところを言ってみなって」
「…えっと…、だから」
シェリーは意味がわからない、という顔をしつつも口を開いた。
「すぐに物を覚えちゃうし、いっつも先を考えて行動するのはすごいなぁって思うわ」
「そんだけ?」
「ええ?もっと?…あとはー、射撃がすごく上手いし、格闘も強いわ。いつも周りを見て状況判断が早いわ。それに博識よね」
最後の方は完全に目線を斜め上に向けて、心なしか頬を染めながら言うシェリーにジェイクは苦笑いした。そこまで臆面もなく褒められるとこっちが恥ずかしいはずなのに、シェリーの方が恥ずかしそうで参る。色んな意味で。
「じゃあ俺も言うぜ」
ジェイクはわざとのように身体をシェリーに対して垂直に向け、横を向いたまま革手袋をした指を折った。これから、らしくもなくかなりこっぱずかしいことを言う自覚がある。
「真っ直ぐに一生懸命で絶対諦めないとこ。任務中は絶対弱音を吐かなくて、自分じゃなくて常に相手のことを考えてるとこ。いつも前向きで器量がデカイとこ…」
「ちょっ!ちょっと、それって何か違わない!?」
「んだよ、どこが?全部お前のことだよ。まだあるぜ?強い信念があって――」
「やぁ!!」
言いかけた言葉はシェリーが顔を覆いながら振り回した拳に遮られた。髪の間から覗く耳は赤い。
「な、なに言ってんの!そんなの、有能とかいう問題じゃないじゃない!」
「ハァ?立派にお前の能力だろうが。お前が言った俺の能力は努力で何とでもなる類のもんなんだよ。でもお前のは違うだろ」
「で、で、でも!役に立つのはそういう能力じゃない!」
顔を上げて噛みつく勢いのシェリーのおでこを指で弾く。
「バーカ、信念とか器量ってのはな、つけようと思ってつくもんじゃない。俺は器用なだけで、正直お前のそういうとこに助けられてもいるんだ」
「…え?」
「お前のないとこを俺がカバーして、俺に欠けてるとこをお前が補う――いいコンビじゃねぇか?」
シェリーはこちらの言わんとすることを理解したのか、表情を緩めた。ふんわり笑った顔にジェイクは思わず頭を引き寄せたくなる。
普段は素直じゃないくせに、たまにこんな風に素直になるところが可愛い、とか言ったらコイツはどうすんだろな?




あとがき


まだ付き合ってない設定かな。付き合ってたらもっとストレートに慰められそう。
…というか、ジェイクはここまで器用に慰められるかしら?( ̄▽ ̄)
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