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S.T.A.R.S時代のクリジル

サイトの拍手(現在撤去済み)に載せてたヤツです。
S.T.A.R.S時代のクリスって結構軽いノリだったので、こんな感じかしらと思いました。
ジルもクリスも何かキッカケがあったら付き合う方に転んでいたんじゃないかな、とか、若い頃はそんな些細なキッカケは多分くさるほどあっただろうなって思います。
そして若い頃のジル(おかっぱちゃんの頃)は結構積極的なイメージなんだけど、どうでしょう?





クリスが玄関のドアを開けた途端に人影がなだれ込んで来た。抱き止めた感触で誰だかわかる。
「…ジル」
名前を呼ぶのと一緒に溜息が漏れる。
「ハァイ、クリス」
顔を上げたジルの目はトロンとしていて、頬も赤い。酔っ払っているのは一目瞭然だ。このままここに泊まるんだろう。クリスは溜息を吐いてジルを支えて部屋に入れた。
「…誰と飲んでたんだよ?」
「マークよ」
あっけらかんと言い放った名前にクリスは舌打ちしそうになった。あの新人か!新人と言っても転職組だから年齢はジルと変わらない筈だ。
「しつこいから飲みに付き合ってあげたんだけど、もう二度とご免ね」
「…お前と飲み合ってついて行けるヤツはバリーくらいだろう」
「クリスが付き合ってくれないからでしょ」
「ザルのお前に付き合えるか!」
ジルとはR.P.D内に設置されている特殊班「S.T.A.R.S.」で初めて顔を合わせて以来だが、今はアルファチームで一緒のチームを組んでいるのでバリーの次に付き合いが長い。
呑兵衛のジルに酒を付き合った時期もあったが、いつからかジルとは飲まなくなった。理由は自分でわかっているが、自覚するのは色々面倒なので「ザルのお前には付き合えない」という理由を貫いている。
「ちぇー、ケチ」
口を尖らせてプイと横を向いたジルの身体はまだクリスが支えたままだ。酒のせいか触れた箇所が熱い。そして、柔らかい。
「もういいから寝ろ…って何でお前はこっちに来るかな!自分の家へ帰れよ」
愚痴のように零れたセリフにジルは鼻で笑う。
「こっちの方が近いんだもん。マークも送るってうるさかったし、じゃあってここまで送らせたのよ」
「…ってお前、またやったのかよ!?」
意味深に笑って起き上ったジルはフラフラと歩いてクリスのベッドにダイブした。
「もー、ちゃんとシーツ洗濯してるのぉ?匂うわよ」
頭から人のベッドに突っ込んで文句を垂れるジルをクリスは睨む。
「ほっとけ。嫌なら寝るな!」
「ソファは固いからイヤー」
ジルはうつ伏せのまま目を閉じて、そのまま寝入った。毎度のことながら素早い寝落ちだった。
クリスは溜息を吐くとジルの身体にタオルケットをかけてベッドを背に床に座った。後ろからはジルの寝息が聞こえている。
「まったく、コイツは…」
明日出勤したらきっとまた噂の的になっているんだろう。例の新人が吹聴して回るに違いない。


「ジル・バレンタインを飲みに誘ったら、帰りはクリス・レッドフィールドの家に送らされたぜ!あの二人付き合ってるらしいぜ!!」


状況は完璧だ。ジルはこのまま昨日と同じ服で二日酔いの顔で出勤するだろうし、となるとクリスの家に泊まったことは周知の事実になる。
今まで何度かこんな展開があった。古参のメンバーはこの二人には何もないことは知っているが、そうでない隊員にはクリスとジルは"出来上がっている"とインプットされているだろう。
正直、ジルがどういうつもりでクリスの家に転がり込んでくるのかわからない。23歳の彼女は爆発物処理に関してはプロ中のプロだ。手先が器用で簡単なピッキングも朝飯前で重宝される要因だ。デルタフォース訓練課程を修了しているので戦闘技術も高い。しかも――キュートだ。肩で切り揃えられた髪は艶やかで、勝気な瞳は大きい。細面の顔には気の強さが滲み出て、実際言いたいことは我慢するタイプじゃない。隊長のアルバート・ウェスカーにも物怖じせずに向かっていく。
「ん…」
後ろからジルが動く気配がしてクリスは思わず振り返った。仰向けになった彼女は暑いのかシャツのボタンを緩めて胸元が露わになっていた。豊満、という形容がぴったりのジルの胸は男所帯では何かと話題に上る。谷間がくっきり見えてクリスは思わず顔を背けた。
そしてまた溜息。
一体ジルは自分をどう思っているのか。
男として認識していないのか。
それとも誘っているのか。
バリーにすら言っていないこの気持ちは本人に言うつもりなどない。だが定期的にこうやって無防備にさらされる醜態にクリスの自制心は揺らぐ。
「…お前、襲われても文句は言えないんだぞ」
我ながら意識のある状態のジルに言えないのが情けないと思いつつも、気持ちよさそうに寝入っている彼女の額にキスをひとつ落としてクリスはシャワーを浴びるためにバスルームに入った。


バスルームからシャワーの音が聞こえてきて、ジルは目を開けた。
首だけ巡らせてバスルームの方を見て、溜息を吐いたついでに愚痴が口から出た。


――「ここまでしてるのに襲えないとか腑抜けなんだから!」

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Comment

無題
  • おかさん
  • 2014-05-12 00:27
  • edit
クリスとジルの若い頃はジェイク達やレオン達とは違うお互いの関係でいいですよね。結構好きです俺は。

また更新楽しみにしております!
Re:無題
  • 透子 〔管理人〕  
  • 2014-05-12 15:21
クリジルは若い時の方が書きやすいかなぁと思いますね。
熟年夫婦みたいな感じもいいんですけど、原作沿いならそれも無理っぽいしな~と食指が動きません(・∀・)
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