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ツイッターのRTで回ってきた↑が不覚にも(´゚д゚`)ってなったので!(イミフ)
これやるならクリジルかなぁ…(*´∀`*)
↓興味ない方はするっとスル~で♪
「クリス」
呼ぶと答えの代わりにこちらに視線が向いた。
部屋で寛ぎながら二人で過ごすようになっていくつかの季節が過ぎた。だが、仕事の相棒として過ごした時間に比べればそれはほんの一瞬だと思える。
「なんだ?」
答えないジルにクリスが問いかけてくる。S.T.A.R.S.にいた頃より随分面差しも変わった。以前はどちらかと言うと軽いノリが似合うような雰囲気だったのに、今は穏やかでバカ笑いをする姿が想像できない。それは年齢によるものなのか、または環境によるものなのかはわからない。
二人の境界線が変わったのはあのことがあってからだ。
それまでは確かにただの相棒だった。行方不明になれば必死で探すし、危ない目に遭えば助けに来る。背中を安心して預け合える――でも恋人じゃない。
オフの日に会う理由がない。人肌恋しい時に触れていい相手じゃない。
酔ったフリをして肩に頭を預けるくらいはできるが、それ以上は明確な意志がいるし、それはクリスも同じだったろう。
「――好き」
零れた言葉にクリスの表情が変わる。微妙に――困った風に。
わかってる。何年一緒にいると思ってるの。相棒として過ごした時間が長過ぎて、この関係に適応できてないことは彼の性格を考えればあり得ることだ。
好き、なんて言葉をもらったことはない。大切だ、とは言われた。ラインを踏み越えたこと自体が彼からの最大の好意だとわかってる。それでも、やっぱり――
ジルは心の中でみっつ数えて、やはり何も言わないクリスに言葉を続けた。
「の、反対は?」
戸惑ったような沈黙の後、微妙にホッとした顔をしながらクリスが答える。
「…嫌い、だろ」
会う時はいつもクリスの部屋。なぜならクリスがジルの部屋へ訪ねて来ることがないから。いつも会いたくて痺れを切らすジルが出向く羽目になる。
リビングのソファの隣に座るクリスへ身を乗り出してみると、その近さに反射で距離を取ろうとするのはいつものこと。それでもジルは自分の性格を知っている。逃げれば追いかけたくなる。駆け引きを仕掛けるほど恋愛に長けてるわけでもないし、昔から猪突猛進を地で行っていた。
だから、クリスがこの距離に戸惑っていることも承知の上だけど、私は私のしたいようにする。
残念、と薄く笑いながら更にクリスに近づく。唇に吐息がかかるほどの距離で呟いた。
――「キスよ」
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